昨日、X-Nihonbashi Towerで開催された日本宇宙旅行協会の講演会にて、「月の村と宇宙旅行」について講演しました。

まず、月で何が起きているのかについて、アポロ計画時代の米ソ競争から、近年の新興国による新たな月面開発競争、そして民間企業の参入による「月面ルネッサンス」とも言える活況についてお話ししました。続いて、オーストリア・ウィーンで設立されたムーンビレッジ協会の活動を紹介し、同協会が2022年に発表したレポートをもとに、月への宇宙旅行の展望について説明しました。

月旅行にはまだ前例がないため、宇宙に馴染みのない方々にも興味を持っていただけるよう、月面観光をテーマにしたSF小説もいくつか紹介しました。また、月に行くと地球全体を一望することができますが、宇宙飛行士たちがその美しさと、大気がまるで紙のように薄く見える様子を目の当たりにし、環境保護の重要性を強く認識した「概観効果」についてもお話ししました。こうした視点の変化を多くの人が経験することこそ、宇宙旅行の大きな意義の一つであると締めくくりました。